名義人が亡くなったときのクレジットカードの手続き
📅 2026年9月8日 公開(2026年9月16日 更新)
身近な方が亡くなったあと、預貯金や不動産の手続きに気を取られ、クレジットカードは後回しになりがちです。しかし放置すると年会費の請求や引き落としの停止といった問題が起こります。ここでは、故人名義のカードをどう整理すればよいかを順を追って説明します。
まず契約中のカードを洗い出す
最初にすべきことは、故人がどのカードを持っていたかの把握です。財布の中のカードだけでなく、郵便物の利用明細、通帳の引き落とし履歴、スマートフォンの決済アプリなども手がかりになります。ペーパーレス化で明細が届かないケースもあるため、預金口座の入出金明細から毎月のカード会社名を拾う方法が確実です。使っていないカードが残っていることも多いので、あわてず一覧にしておくと後の連絡がスムーズになります。
カード会社へ連絡し解約を申し出る
契約者が亡くなった場合、カードの契約は本人固有のものであるため引き継ぐことはできず、解約の手続きになります。各カード会社の会員向け窓口に電話し、名義人が亡くなった旨を伝えると、以後の案内を受けられます。必要書類はカード会社によって異なり、死亡の事実がわかる書類や連絡する方の本人確認書類を求められることがあります。手続きの詳細は各社の公式案内で確認してください。
家族カード・ETCカードも同時に止まる
家族カードは本会員の契約に付随するものなので、本会員が亡くなると家族カードも使えなくなります。同じくETCカードや付帯の電子マネーも利用できなくなるため、家族が日常的に使っていた場合は代わりの支払い手段を早めに用意しておく必要があります。配偶者名義で新たにカードを申し込む場合は、審査に時間がかかることも見込んで動くと安心です。カードが止まってから気づくと生活に支障が出やすい部分です。
未払い残高と引き落とし口座の扱い
利用済みで未払いの残高が残っている場合、その支払い義務は相続の対象になります。分割払いやリボ払いの残債があるときは金額を確認し、相続全体の中でどう扱うかを検討することになります。判断に迷う場合や債務が大きい場合は、期限のある手続きもあるため、早めに専門家へ相談するのが安全です。また、金融機関が口座を凍結すると引き落としができなくなるので、支払い方法の変更もあわせて考えます。
公共料金やサブスクの支払い先を切り替える|解約後も請求が続くことがある
故人のカードで電気・ガス・通信費・サブスクリプションなどを支払っていた場合、カードの解約と同時にそれらの決済も止まります。放置すると延滞扱いになったりサービスが停止したりするため、契約先ごとに支払い方法の変更手続きが必要です。カードの利用明細を数か月分さかのぼって見ると、毎月の定期的な請求が洗い出せます。生活に直結するものから順に切り替えていくと混乱を防げます。注意したいのは、カードを解約すれば自動的に支払いが止まるとは限らない点です。三菱UFJニコスの注意事項には、携帯電話や公共料金など月額使用料の支払いにカード番号を登録している場合は各契約先で支払方法の変更が必要で、変更手続きが完了するまで退会したカードへの請求が継続する場合があると記載されています。カード会社への解約連絡はゴールではなく、契約先ごとの支払い方法の変更まで終えて初めて手続きが完了します。銀行口座が凍結されると引き落とし自体が止まるため、支払い先の一覧を書き出して管理するのが確実です。
解約はWEBで完結しないことがある|「逝去に伴う退会」は電話窓口へ
カード会社の退会手続きは、近年はWEBの専用サイトや自動音声応答で完結することが増えています。ただし、名義人が亡くなった場合は別扱いになることがあります。たとえば三菱UFJカードを発行する三菱UFJニコスの公式サイトでは、退会申し込み専用サイトの対象は本人会員名義の個人カードに限られ、「本人会員のご逝去に伴うクレジットカードの退会」は専用サイトの対象外と明記されています。家族会員による手続きもできないとされているため、遺族が連絡する場合はカード裏面に記載の電話窓口から進めることになります。WEBのフォームを探して時間を使う前に、まず電話窓口を確認するほうが早く済みます。また、本会員のカードが退会になると、それに付帯するカードも自動的に退会扱いになります。同社の案内では家族カードのほか、ETCカード、Apple Pay、PiTaPa、プライオリティ・パス、銀聯カードが例として挙げられています。見落としやすいのが、退会後はポイント交換ができなくなる点です。残っているポイントを何かに換えるつもりなら、解約の連絡より前に確認しておく必要があります。明細の確認手段も押さえておくと安心です。三菱UFJニコスの会員専用WEBサービスは、退会の申し出を受け付けてから最大14ヵ月後の末日まで引き続き利用できると案内されており、亡くなった後に「何の支払いに使っていたか」をさかのぼって調べる手がかりになります。
3か月の期限がある|相続放棄・限定承認の手続きと費用
カードの未払い残高やリボ・分割の残債が大きい場合、相続をどう扱うかを早めに決める必要があります。裁判所の案内によれば、相続人は権利も義務もすべて受け継ぐ「単純承認」、一切受け継がない「相続放棄」、相続で得た財産の限度で債務を引き受ける「限定承認」の3つから選べます。相続放棄と限定承認をするには家庭裁判所への申述が必要で、申述は民法により「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」と定められています。申述先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。費用は申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手(郵便料は裁判所ごとに異なります)で、必要書類は被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本などが基本になります。3か月以内に財産の状況を調べてもなお判断材料が得られない場合は、「相続の承認又は放棄の期間の伸長」の申し立てにより、家庭裁判所が期間を延ばすことができるとされています。カードの残債がどれくらいあるか分からないまま3か月が過ぎてしまうのが一番避けたい流れなので、利用明細の取り寄せと並行して、早い段階で弁護士や司法書士などの専門家に相談する選択肢も検討してください。
よくある質問
Q. 亡くなった家族のクレジットカードはそのまま使い続けられますか?
A. カードの契約は本人固有のものであるため引き継ぐことはできず、解約の手続きになります。各カード会社の会員向け窓口に電話し、名義人が亡くなった旨を伝えると以後の案内を受けられます。必要書類はカード会社によって異なり、死亡の事実がわかる書類や連絡する方の本人確認書類を求められることがあります。
Q. 本会員が亡くなると家族カードやETCカードはどうなりますか?
A. 家族カードは本会員の契約に付随するものなので、本会員が亡くなると家族カードも使えなくなります。同じくETCカードや付帯の電子マネーも利用できなくなるため、家族が日常的に使っていた場合は代わりの支払い手段を早めに用意しておく必要があります。配偶者名義で新たに申し込む場合は、審査に時間がかかることも見込んで動くと安心です。
Q. 故人のカードに未払い残高がある場合、支払いはどうなりますか?
A. 利用済みで未払いの残高が残っている場合、その支払い義務は相続の対象になります。分割払いやリボ払いの残債があるときは金額を確認し、相続全体の中でどう扱うかを検討することになります。期限のある手続きもあるため、判断に迷う場合や債務が大きい場合は早めに専門家へ相談するのが安全です。口座凍結で引き落としが止まる点も考慮しましょう。
Q. 亡くなった名義人のカードはWEBで解約できますか?
A. カード会社によっては、名義人の逝去に伴う退会はWEBの退会申し込み専用サイトの対象外とされています。三菱UFJニコスの公式サイトでは、専用サイトの対象は本人会員名義の個人カードに限られ、本人会員の逝去に伴う退会と家族会員による手続きは対象外と明記されています。その場合はカード裏面に記載の電話窓口へ連絡してください。なお、退会後はポイント交換ができなくなるため、残高がある場合は連絡前に確認しておくと安心です。
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